優れた耐食性と耐熱性を持ち、強度がありながらも軽いという特徴をもつチタン。
航空機や潜水艦、さらには建材、スポーツ用品にまで使用されていて、私たちの生活を便利にしてくれていますよね。
そんなチタンについて、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「チタンの日本における需要はどれくらいなのかな?」
「チタンの取引価格ってどれくらいなのかな?」
このような疑問をお持ちになられた方はいらっしゃいませんか？
そんな方に向けて、今回は日本におけるチタンの需要とチタンの取引価格についてお伝えします。

日本におけるチタンの需要

日本国内におけるチタンの需要の約90%が、二酸化チタン（TiO2）、5〜6％が金属チタン、そして残りが溶接棒となっています。
また、需要の動向としては、2008年から2009年にかけて大幅に減少し、2009年から2011年にかけて上昇していましたが、再び2014年には減少しています。
しかし、2014年以降は上向きとなっています。
2007年から2016年までの日本のチタン需要量は、以下の通りです。
単位は純分千トンで、（）内は前年比です。

・2007年：183.1
・2008年：207.3 （113%）
・2009年：119.9 （58%）
・2010年：147.9 （123%）
・2011年：159.1 （108%）
・2012年：139.6 （88%）
・2013年：130.6 （94%）
・2014年：128.7 （99%）
・2015年：130.4 （101%）
・2016年：135.6 （104%）

チタンの取引価格

現在、チタンの買取価格は1キロ当たり約150円で推移しています。
チタンはその耐久性と耐食性に優れる性質から、航空機に用いられたり、また強い耐熱性を保つために、航空機のエンジンやプラントに用いられています。
近年では、それらに使用するための需要が伸びたために、価格が引き上げられています。
また、原料であるチタン鉱石の値上がりも、価格の引き上げの原因の1つです。

これらの影響は、航空機のエンジンやプラントへの用途の他にも、加工品である展伸材の価格にも波及する可能性もあります。
航空機のエンジンやプラントに用いられるスポンジチタンは、製造の電気分解工程で大量の電力を消費します。
そのため、近年では日本よりも電力のコストの小さい国でスポンジチタンを製造する場合もあります。
それによってチタンの取引価格も下がってくる可能性があります。

まとめ

ここまでで、チタンの日本における需要と需要動向、そして取引価格についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
チタンは優れた性能を多く持っている、他に類を見ない金属なので、これからもチタンの需要やその取引価格に注目してみると面白いかもしれませんね。