レアメタルについてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

近年レアメタルという言葉が多く取沙汰されるようになりましたが、その理由には、資源としての希少性が挙げられます。

日本国内においては「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要」と定義されるレアメタルですが、実際にその希少なレアメタルに対してどのような安定供給の確保のための対策が取られているのでしょうか。

今回はレアメタルのもつ課題とその対策についてお伝えします。

レアメタルの希少性、課題

1．資産価格の変動が激しい
一般的な金属（鉄、銅など）と比べて市場が小さいため、価格の変動が激しいです。

2．需要の変化が大きい
特定のレアメタルを使わなくてもよい製品が開発されれば、そのレアメタルの需要が激減するといったことが発生しうるため、安定した価値を継続的に見通すことが難しいです。

3．資源の偏在性
例えば現在タングステンの産出量の8割近くを中国が占めているように、レアメタルは特定の地域にのみ偏って存在していることが多いです。

そのため、工業製品の開発に必要なレアメタルは海外資源の輸入に頼らざるを得ないことになり、外交関係の悪化やその国内の治安の悪化、テロなどから安定した供給に対しての不確実性が発生します。

日本のレアメタル確保への対策

1．リスクマネー供給支援
資産買収出資や債務保証を通じてリスクマネー（資金の出し手がある程度リスクを負いながら投じられるお金）の供給を支援しています。

これにより、価格変動の激しいレアメタルの資源供給の安定性を担保しています。

2．探鉱段階での政策的支援
レアメタルの資源探鉱を支援することで産出量の底上げを狙います。

3．リサイクル技術の開発支援
日本国内の工業製品には多くのレアメタルが含まれています。

リサイクル技術が発展すれば、国内のスクラップなどからも多くのレアメタルを獲得することができます。

4．省レアメタル製品や代替資源の開発支援
レアメタルの必要量を減らすことを通じて確保の困難な状況に直面した際のリスクを低減します。

5．レアメタルの備蓄
供給の不安定性に対して備蓄である程度の対策をとっています。

今回はレアメタルの希少性とその課題、対策についてお伝えしました。

いつ供給が断たれるかもわからないレアメタルに対して、国内からも多く対策できることがありますね。

また、スクラップからも多くのレアメタルを抽出することができる場合があります。

お持ちのスクラップを買取に出せば、レアメタルが含まれているかもしれません。