ニッケルとはどんな金属であるかご存知ですか？
なんとなく金属の1種だというイメージしかないという方も多いのではないでしょうか。

実は、ニッケルは身近なものにも多く使われています。

今回は、ニッケルのもつ特徴や埋蔵国、産出国についてお伝えします。

ニッケルとは

ニッケルは鉄系の金属で、銀白色をしています。
特徴としては光沢があり耐腐食性が強い点や他の金属との合金にすることで優れた機能を発揮するという点があります。
具体的には、鉄、クロムなどとの合金は軟磁性を持つことから、変圧器の鉄心などに使われていることや、チタンとニッケルの合金が形状記憶合金であることが挙げられます。

また、日本においては100円硬貨と50円硬貨にもニッケルが使用されています（銅とニッケルの合金）。
また、ニッケル全体の推計65％程度がステンレスの原料としても使用されており、身近に存在する鉱物の1つといえます。

日本国内ではニッケル鉱をほとんど輸入に依存していることや、外交的問題などによる供給遮断の危険性から、国内使用量の60日分を備蓄することが定められています。

ニッケルの国際的動向

ニッケルの価格は国際動向や需給状況により大きく乱高下します。
主要生産国の景気の良し悪しや新興国の生産量増加などが毎年激しく変わるため、5年程度で価値が大きく変わることも珍しくありません。

近年においては、インドネシアがその生産量を大きく伸ばし、ロシアやカナダなどの大国の生産量の減少を支えて全体の生産量増加を支えています。

鉱石としての主な生産国はフィリピン、インドネシア、ニューカレドニア、ロシア、カナダが挙げられます。プライマリーニッケルにおいては中国、インドネシア、日本、カナダ、ロシアが代表的で、ある程度技術発達の進んだ国が自国内のリソースに限らず鉱石の輸入、加工、輸出を通じて利益をあげています。

ニッケルの埋蔵量では、オーストラリア、ロシア、キューバ、カナダ、ブラジルが上位5か国となっており、この5か国で全体の70％程度の埋蔵量を誇ります。

今回はニッケルの特徴とその国際的動向についてお伝えしました。
100円玉やステンレスに使われていたりと身近なものに含まれているニッケルですが、日本ではその鉱石のほとんどを輸入に依存しています。
政府が安定供給確保を目指す鉱石でもあり、意外と貴重なものだという印象を持たれた方も多いのではないでしょうか。

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