そもそもプラチナとは？

「プラチナ」とは、日本語では「白金」とも呼び、元素記号「Pt」、原子番号「78」、周期表ではニッケルやパラジウムなどと同じ10族に分類される金属です。貴金属アクセサリーとして使用されるイメージが強いですが、自動車部品をはじめ様々な工業部品の原料としても使用されています。

プラチナの採掘量は非常に少なく、金のこれまでの掘量が15万～17万トン程度であるのに対して、プラチナは5,000～7,000トン程度しかありません。そのため、希少な非鉄金属であることから「レアメタル」に分類されています。

プラチナの特長

プラチナの特長として次の6つが挙げられます。

• 加工性が低い
• 優れた耐熱性
• 自然界に存在する元素の中で密度が最も高い
• 輝きがある
• 変色・変質しにくい
• 玉水以外では溶けない

プラチナは非常に柔らかいため、加工性が低いです。高いデザイン性を求める場合は、割金を使用し硬度を高める必要があるため、プラチナの純度が低くなるというデメリットがあります。

「玉水」とは、塩酸と硫酸を混ぜ合わせたものです。プラチナはこの玉水にしか溶けないといった性質も有しています。

プラチナの種類

プラチナは純度によって種類分けされます。プラチナの種類は次のとおりです。

• Pt999：純度99.99％と最も純度が高いプラチナ
• Pt950：純度95％のプラチナ
• Pt900：純度90％のプラチナで指輪・ネックレスなどに最も多く用いられるタイプ
• Pt850：純度85％のプラチナで
• Pt750：純度75％のプラチナ
• Pt650：純度65％のプラチナ
• Pt585：純度58.5％のプラチナ
• Pt505：純度50.5％のプラチナ

社団法人日本ジュエリー協会やISO国際標準化機構が、プラチナ製品と認めている最低は「Pt850」までです。したがって、Pt750以下になると、国際的な基準としてプラチナ製品とは認められません。

プラチナの産地

プラチナの産地は南アフリカが世界全体の3/4、次いでロシアが残りの1/4を占めているといわれています。言い換えれば、他の国への代えが効かないため、どちらかの国で問題が起きた場合には、プラチナ相場に与える影響が大きいということです。

プラチナを扱う場合は、2022年2月に開始されたロシアのウクライナ侵攻なども踏まえて、これらの動向を注視しなければなりません。

ホワイトゴールドとの違い

「ホワイトゴールド」とは、金（ゴールド）に、シルバーやパラジウムといった白系金属を割金として加えることで人工的に白色にした金属です。

ホワイトゴールドはプラチナに似た白色および輝きを放っているため混同されやすい他、日本語ではプラチナを「白金」と呼ぶことから白金＝ホワイトゴールドと勘違いされやすいです。

しかし、ホワイトゴールドは「金」であるため、両者は全く別の金属であり当然、物質的な特性も大きく異なります。

プラチナの代表的な4つの用途

プラチナの代表的な用途として次の4つが挙げられます。

• ジュエリー
• 自動車部品
• 工業部品
• 医療分野

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.ジュエリー

日本ではジュエリーとしてのプラチナが非常に人気です。そのため、プラチナと聞くとジュエリーのことをイメージする方が多いと思います。

ジュエリーにプラチナが用いられる理由としては人気である他、ダイヤモンドを引き立たせられる、アレルギー反応を起こしにくいなど、様々な理由が挙げられます。

2.自動車部品

あまり知られていませんが、自動車部品としてもプラチナは用いられています。工業部品として用いられるプラチナのうち、自動車部品が占める割合は全体の4割といわれているほどです。

元々、自動車のマフラー触媒として用いられていた金属はパラジウムでした。しかし、耐久性が優れたプラチナに移行したことで、プラチナの需要は高まっています。

また、プラチナは自動車燃料電池の材料としても用いられています。地球温暖化対策の一環として、ガソリン車から電気自動車への移行が世界各国で進められる中、電気自動車が普及すれば、プラチナの需要はこれまで以上に高まるでしょう。

3.工業部品

自動車部品以外にも、様々な工業部品にプラチナは用いられています。代表的な部品として挙げられるのがパソコンなどに内蔵されているハードディスクです。

ハードディスクで情報を記録するためには、微小な磁石が必要なのですが、プラチナはその磁石部品の材料として用いられています。

4.医療分野

プラチナは金属アレルギーになりにくく、酸化しづらいため、患者の体内に入れても安全性が高い金属です。そのため、カテーテルやペースメーカー、抗がん剤の1部など、医療分野の様々なシーンに用いられています。

また、歯科治療における歯の詰め物として、プラチナが用いられていることも多いです。

プラチナスクラップとは？

「プラチナスクラップ」とは、使用済みプラチナの金属くずのことです。代表的なプラチナスクラップとしては以下が挙げられます。

• 白金るつぼ
• 白金箔
• 熱電対
• 電極材
• Pt試薬
• Pt棒
• Ptパーツ材
• Ptターゲット

使用されている金属がプラチナであれば、上記以外でもプラチナスクラップとして処理できる可能性があります。プラチナスクラップかどうか分からないという方は、1度金属買取業者に相談してみるとよいでしょう。

都市鉱山にも多くのプラチナがある

金属スクラップは「都市鉱山」ともいわれ、近年は鉱山を採掘するよりも、都市鉱山に埋もれている金属を再利用する意識が高まっています。廃棄された電子基板や電子機器などには、多くのプラチナがあるといわれています。

都市鉱山に含まれる埋蔵量は所説あるものの、当面の需要を満たすには十分な量が埋蔵されているというのが一般的な見解だそうです。

都市鉱山とは？

「都市鉱山」とは、廃棄された小型家電製品に含まれる金属の山を、都市部の鉱山に例えた言葉です。1988年に東北大選鉱製錬研究所の南条道夫教授らによって提唱されました。

2022年に環境省が循環経済工程表案を発表し、循環経済市場規模を現在の50兆円から80兆円にすることと、金属リサイクル原料の処理量も倍増させる方針を示しました。これをきっかけに、「都市鉱山」が再度注目されるようになります。

日本における都市鉱山の現状

日本の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵するといわれています。2008年に独立行政法人物資・材料研究機構が「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」というレポートを公表しました。

このレポートによれば、金の埋蔵量は約6,800トンで世界の埋蔵量の約16％、銀の埋蔵量は約60,000トンで世界の埋蔵量の約22％を占めるといわれています。当時の量と現在の量では違いはあるものの、天然資源のほとんどを輸入に頼っている日本において、都市鉱山は非常に貴重な資源といえるでしょう。

都市鉱山のメリット

都市鉱山のメリットとしては次の2つが挙げられます。

• 環境の保全
• 資源の有効活用

鉱山から採掘する場合、金は鉱石1トンあたり5g程度しか含有されていません。しかし、廃棄された携帯電話の場合、1トンあたり280g程度の金が含有されています。

都市鉱山を有効活用すれば、鉱山の掘削量を大きく縮小できるため、環境への負荷を軽減できる他、リサイクルによる資源の有効活用によって地球資源の枯渇リスクも低減できます。

また、鉱石には多くの不純物が含有されているため、鉱石から金属を精製しようとすると、莫大なエネルギーを消費しなければなりません。一方、都市鉱山はすでに不純物が除去されている人工資源です。

鉱石と違って多くの不純物を除去する必要がない分、エネルギー消費量を抑えられるため、地球温暖化対策にも寄与できます。

都市鉱山の課題

都市鉱山活用における課題としては次の3つが挙げられます。

• コストの問題で事業化が現実的ではない
• 回収システムが整備されていない
• 分離・解体に手間がかかる

携帯電話から抽出できるレアメタルの価値は100円程度であるため、事業化するには、それを下回るコストで金属を回収しなければなりません。したがって、低コストでも回収できる仕組みを実用化していく必要があります。

都市鉱山は家庭ゴミも含まれているため、ゴミとして投棄されたり、消費者の手元にあったりする場合も多く、すべてを資源化するのは難しいのが現状です。できるだけ多くの都市鉱山を活用していくためには、家庭ゴミに含まれるものもできるだけ回収していくシステムを整備していく必要があります。

また、小型電子機器にはプラスチックなど、金属以外の素材も含まれています。そのため、分離・解体には手間がかかり、高度な技術が必要です。

プラチナスクラップを高額買取してもらう4つのポイント

プラチナスクラップを高額で買取してもらうためのポイントとして次の4つが挙げられます。

• プラチナ相場を確認する
• スクラップをまとめて買い取ってもらう
• 定期的に買取してもらう
• スクラップの種類ごとに分ける

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.プラチナ相場を確認する

冒頭で紹介したとおり、プラチナの買取価格はプラチナ相場状況によって変わります。プラチナ相場状況によって買取価格が変動するのは、プラチナスクラップも同じです。

高額買取を狙うのであれば、プラチナ相場を確認し、価格が高いタイミングで買取依頼するようにしましょう。

2.スクラップをまとめて買い取ってもらう

まとまったスクラップを買い取ってもらうことも、高額買取のポイントです。事業者によって違いはあるものの、金属の対象買取量は1kgからです。

また、事業者によっては10kg未満では買取してくれない場合もあります。買取業者との香料を有利に進めたいのであれば、できるだけ量をまとめてから買取依頼することが大切です。

3.定期的に買取してもらう

定期的に買い取ってもらうことも高額買取のポイントです。買取業者も加工業者へスクラップを一定量納品しなければなりません。

そのため、定期的にまとまった量を売却してくれる企業の方が取引しやすいといった事情があります。そのため、定期的に買取してもらった方が、好条件で買取してくれる可能性が高くなります。

4.スクラップの種類ごとに分ける

付着しているプラスチックなどの不純物を除去する、同じ種類のスクラップに分別するなど、しっかりと仕分けしておくことも高額で買取してもらうためのポイントです。不純物を除去していなかったり、プラチナスクラップを他のスクラップと一緒に保管したりしている場合、「雑品スクラップ」と処理されます。

雑品スクラップは買取業者が仕分けを行わなければならず、手間がかかることから、買取価値の低下を招きます。買取価値を下げないためには、しっかりと仕分けを行い、プラチナスクラップの品質を上げておくことが重要です。

まとめ

プラチナの価格はプラチナ相場と連動しています。プラチナ相場はリアルタイムで変動し続けているため、プラチナの価値も変動していると考えておかなければなりません。

そのため、昨日と比べて、買取価格が高くなっている場合もあれば、低くなっている可能性もあります。プラチナスクラップの買取価値を下げないためには、プラチナ相場を確認しながら、当記事で紹介した高額買取のポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。

当店は、鉄や非鉄スクラップの回収と高価買取を行っています。スクラップ買取でお困りの方は、ぜひ一度当店にご相談ください。