ニッケル相場は高騰している
ニッケル相場はここ数年乱高下気味だが、全体では高騰気味です。ニッケル相場が高騰している要因は主に次の2つです。
- 脱炭素によるニッケルの需要増加
- ロシアのウクライナ侵攻
近年のニッケル相場は、新型コロナウイルス流行の影響や中国の景気減速の懸念により、一時下落しました。しかし、世界各国の脱炭素の流れを背景に、電池向け需要が拡大し、2022年1月に10年ぶりに高値水準に到達しています。
高値水準に到達した1ヶ月後の2月24日にはロシアがウクライナ侵攻したことで、ニッケルの供給不安が広がりました。その結果、ニッケル相場はさらに上昇し、侵攻前の水準で高止まりしています。
国際エネルギー機関(IEA)が算出した試算によれば、電気自動車や蓄電池目的のニッケル需要は2040年には2020年比の約6倍になるともいわれています。パリ協定に基づく各国の目標をベースに試算した場合だと、ニッケルの需要は2040年には同比で19倍になる見込みですが、近年の需要拡大スピードは想定以上だそうです。
そのため、ニッケルの需要に供給が追いつかない場合、ニッケル相場はさらに上昇し、価格が高騰する可能性があります。
そもそもニッケルとは?
「ニッケル」とは、原子記号「Ni」、原子番号「28」の鉄族元素の1つで、遷移金属のレアメタルに分類される金属です。50円玉硬貨をはじめ、スマートフォンや自動車、医療機器など、生活に欠かせない様々なシーンで活用されています。
ニッケルの歴史は古く、ヨーロッパでは貨幣や洋食器などで使用されており、上記で紹介したとおり、現代でも欠かせない金属となっています。日本をはじめとする先進国はもちろん、現在は飛躍的な成長を遂げているアジア新興国でも需要が伸びている金属です。
また、ニッケルはリサイクルして再利用できる資源であることから、SDGs(持続可能な社会)の推進には欠かせない金属ともいわれています。
ニッケルの特長
ニッケルの特長は大きく分けて次の2つです。
- 錆びにくい
- 電気伝導率が高い
ニッケルは鉄やコバルトと同じ鉄族元素に分類される金属ですが、表面の不動化被膜によって錆を防ぐ特性を有しています。そのため、他の金属と比較すると錆びにくく、淡水や海水に対しても腐食しにくいです。
錆びた50円玉が少ないのは、この錆びにくい特性があるからです。
また、ニッケルは高い電気伝導率も有しています。この特性を活かした分野がニッケルメッキであり、製品の表面にニッケルメッキ処理を施すことで、製品の電気伝導率を高める導電材として用いられています。
ニッケル合金とは?
合金とは、ある金属に別の金属もしくは非鉄金属を1種類以上混ぜ合わせた化合物のことです。ニッケル合金はニッケルに1種類以上の金属・非鉄金属を混ぜ合わせ、ニッケルの含有率が50%以上のものを指します。
ニッケル合金の種類は数千にも上るといわれており、混ぜ合わせる金属によって、性質が大きく異なります。そのため、使用用途に応じて、材質選択が行われるのが一般的です。
ニッケル合金の種類
前述のとおり、ニッケル合金の種類は数千にも及びます。
そのため、ここでは代表的なものを5つ紹介します。
1.純ニッケル
「純ニッケル」は、ニッケルの含有率が99%以上になるよう調整された工業用金属材料です。電気伝導率や耐食性が高いことから、メッキ材料として使用されます。
また、アルカリに対して高い耐食性を有していることから、化学工業分野では材料の候補となることも多いです。
2.高ニッケル鉄基合金
「高ニッケル鉄基合金」は、ニッケルの含有率が50%以下ながら、ニッケル合金に分類される特殊鋼のことです。場合によっては、高級ステンレス鋼に分類されることもあります。
分類される金属としては「カーペンター20Cb-3」や「インコロイ825」などが挙げられます。
3.ニッケルクロム合金
「ニッケルクロム合金」は、クロムを10~30%加えたニッケル合金です。高温での対酸化性に優れている抵抗合金のため、電熱線として使用されています。
ただし、構造材として使用する際は加工性を高めるために、ニッケルとクロムに一定以上の鉄を加えた「ニッケルクロム鉄合金」が使用されることが一般的です。
4.ニッケルクロム鉄合金
「ニッケルクロム鉄合金」は、ニッケルクロム合金に鉄を加えたニッケル合金です。ニッケルが本来持っている耐食性に加え、加工性や高温への強度が高いため、耐食・耐熱といった環境下でも使用されています。
代表的なニッケルクロム鉄合金は「インコネル600」ですが、使用条件に合わせて、601や625など、様々な合金が開発されています。
5.ニッケル銅合金
「ニッケル銅合金」とは、ニッケルと銅の合金です。ニッケル銅合金の最大の特長は、銅が含有されることで、海水や大気、アルカリ、希塩酸といった幅広い環境に耐えられることです。
また、フッ酸に対しても高い耐食性を示していることから、ニッケル銅合金は貴重な合金ともいわれています。
金属の種類
金属の種類は大きく次の3つに分類されます。
- 貴金属
- ベースメタル
- レアメタル
「貴金属」とは、希少かつ耐腐食性を有している金属のことです。一般的に金や銀、プラチナといった8元素を指します。
「ベースメタル」とは、大量に生産され、多くの製品の材料として使用されてきた金属です。銅や鉄、アルミニウムなどの金属が該当します。
「レアメタル」は、産業に用いられることが多い、希少な非鉄金属のことです。詳細については後述で詳しく解説します。
レアメタルとは?
「レアメタル」とは、ベースメタルと比べて地殻中の存在量が少ない、採掘・精錬コストが高いといった理由で使用量・流通量が少ない金属のことです。経済産業省が公開した「レアメタルのリサイクルに係る現状」では、レアメタルを次のように定義しています。
「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属」のうち、工業需要が現に存在する(今後見込まれる)ため、安定供給の確保が政策的に重要であるもの
レアメタルに分類される金属は、ニッケルをはじめ、リチウムやベリリウム、パラジウム、マンガン、チタンなど、全31種類に及びます。
レアアースとは?
「レアアース」とは、31種類あるレアメタルの1つで、希土類と呼ばれる17種類の元素の総称です。
自動車用排ガス触媒などに使用されるセリウム・ランタンや、次世代自動車に欠かせない材料であるネオジム・ジズプロシウムなどがレアアースに分類されます。
金属スクラップを処分する2つの方法
金属スクラップを処分する方法として次の2つが挙げられます。
- 産業廃棄物として処理する
- スクラップ買取
それぞれ詳しくみていきましょう。
産業廃棄物として処理する
事業活動によって排出された金属スクラップなどは「産業廃棄物」となります。そのため、金属スクラップを処分するには、産業廃棄物処理業者に回収依頼しなければならず、処分するには費用もかかります。
高度経済成長による建設ラッシュやオイルショック以前は、金属スクラップは産業廃棄物として処理されることが一般的でした。
金属スクラップ買取
近年、一般的となっている金属スクラップの処分方法が「金属スクラップの買取」です。鉱物資源が乏しく資源の確保を輸入に頼っている日本では、金属のリサイクル・再利用が重要視されています。
金属スクラップ買取であれば、専門業者に金属スクラップを買い取ってもらえるため、金属スクラップを処分できなおかつ、雑収入を得られます。
金属スクラップの処分方法を買取にすべき3つの理由
金属スクラップの処分方法を買取にすべき理由として次の3つが挙げられます。
- 利益として計上できる
- 資源を大切にできる
- 環境保全につなげられる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.収益性がある・金属スクラップを利益にできる
ニッケルなどの金属を大量に消費している日本ですが、鉱石のほとんどを輸入に頼っている状況です。金属スクラップをリサイクル資源として活用すれば、海外からの輸入コストを抑えられるため、収益向上につなげられるでしょう。
また、金属スクラップを産業廃棄物として処理すると前述のとおり、処分費用がかかります。金属スクラップの買取であれば、廃棄にかかる処分費用を削減できるだけでなく、買取代金をもらえるため、利益にできます。
2.資源を大切にできる
ニッケルや銅、アルミニウムといった金属は天然資源であり有限です。そのため、金属スクラップをすべて廃棄物として処理し続ければ、当然資源は尽きてしまいます。
金属スクラップを買取してもらえば、リサイクル資源として再利用できるため、資源を大切にできます。
3.環境保全につなげられる
金属スクラップの処分方法を買取にすべき最大の理由が「環境保全」です。金属スクラップを買取し、リサイクル資源として再利用すれば、鉱山の掘削量を削減できるため、自然を守ることにつながります。
廃棄量も削減できるため、埋め立てや焼却を行う必要がなくなり、環境への負荷を軽減することも可能です。また、天然鉱石には不純物が多く含有されており、鉱石から金属へと精錬する際、不純物を取り除くために莫大なエネルギーを消費します。
一方、金属スクラップは人工資源となるため、不純物はすでに除去されているため、精錬時のエネルギーを節約できます。そのため、地球温暖化対策にもつなげられるでしょう。
金属スクラップを買取してもらう際の3つの注意点
金属スクラップを買取してもらう際の注意点として次の3つが挙げられます。
- 買取価格が相場どおりか
- 対象金属のスクラップ買取に対応しているか
- 業者の質・実績
それぞれ詳しくみていきましょう。
買取価格が相場どおりか
金属スクラップを買取してもらう際、買取価格が相場どおりか確認するようにしましょう。インターネットを使用すれば、金属相場は簡単に確認できます。
買取査定価格と相場価格が大きく違う場合、買いたたきを行っている可能性が高いです。買いたたかれないためには、相場を確認し、買取価格が適正かどうかを見極める必要があります。
対象金属のスクラップ買取に対応しているか
一口に金属スクラップといっても、ニッケルや銅、アルミニウム、鉄など、様々です。また、同じ金属でも合金などでさらに種類が分かれるため、業者によっては買取対応していないスクラップもあります。
金属スクラップを買取してもらう場合、対象金属のスクラップ買取に対応している業者であるかも確認しておかなければなりません。
業者の質・実績
業者の質というのは丁寧さやユーザーニーズに対応しているかどうかです。例えば、ユーザーニーズをしっかりと聞かない、質問に対してしっかりと受け答えしてくれないという場合、質が高いとはいえません。
問い合わせ時に業者と相性が良いかどうかも、買取時に注意すべき点です。また、金属スクラップ内に価値のあるスクラップが含まれていたとしても、業者に技術がないといった理由で、買取査定されないケースも少なくありません。
業者にどれくらいの実績があるのかも合わせて確認しておくとよいでしょう。
まとめ
ニッケル相場の概要や相場が高騰している理由、ニッケルの特長などについて解説しました。ニッケルの需要増加や、ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給不安に伴い、ニッケル相場は高騰し、高止まりが続いています。
つまり、ニッケルの相場が高いということは、ニッケルスクラップも高値で取引されやすいということです。ニッケルスクラップもリサイクルして再利用できる貴重な資源であるため、この機会に買取してみることをおすすめします。
当店は、鉄や非鉄スクラップの回収と高価買取を行っています。スクラップ買取でお困りの方は、ぜひ一度当店にご相談ください。
同じ種類の金属スクラップ買取 豆知識
スクラップ価格ドットコムの高価買取の理由
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運営会社情報
商工中金 神戸支店
尼崎信用金庫 神戸東支店
古物証許可(兵庫県公安委員会:第63110100041号)
自動車商(兵庫県公安委員会:第63110100041号)
毒劇物一般販売業(神戸市191TA1023号)
産業廃棄物収集運搬業
飲食店営業許可
酒類販売業許可
貴金属全般(金・銀・プラチナ その他貴金属類)販売買取業
非鉄金属全般(アルミ・銅・ステンレス・真鍮 鉛 錫 その他非鉄金属類)販売買取業
レアメタル全般(ニッケル・コバルト・チタン タングステン 超硬 その他レアメタル類)販売買取業
貴金属地金販売買取業
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ビンテージオートバイ・ビンテージカー輸入販売業
歯科用貴金属材料買取業
毒劇物一般販売業
カフェ・レストラン・バー等の飲食店の経営
1940年代 | 個人商店(新崎商店)として、新崎真悟が金属リサイクル事業を開始。 |
2002年 | 新たにレアメタルの取り扱いを開始。現代表 新崎 哲雄が有限会社エスアールシーを設立。 |
2005年 | 事業拡大に伴い、株式会社へ組織変更。 |
2007年 | 新たに貴金属リサイクル事業・地金取り扱いを開始。貴金属事業部:神戸ゴールドバンク発足。 |
2010年 | 超硬リサイクル事業部(超硬ドットコム)サービス開始。 |
2013年 | ニッケルコバルトリサイクル事業部(ニコニコメタル)サービス開始。 事業拡大のため、六甲アイランドに事業用地を取得。六甲アイランドベース開設。 |
2018年 | アンティーク家具・雑貨事業部(Kobe Antique Warehouse)サービス開始。 レアウイスキー、クラフトビール販売サービス開始。 |
2019年 | 歯科金属リサイクル事業部(シカキン)サービス開始。 |
2021年 | 本社を芦屋市公光町へ移転。春からビンテージウイスキー販売事業開始予定 |
鉄鋼ビルディング4階 S-07