タングステンという金属をご存知ですか？

最近注目の集まっているレアメタルの1種であるタングステンは、多くの身近な製品に使われています。

お持ちの工業製品やスクラップなどにも含まれているかもしれません。

名前だけ聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

今回はタングステンの素材としての特徴と用途についてお伝えします。

タングステンとは

タングステンとは金属の1つであり、硬さ、重さ、電気抵抗の高さ、耐熱性に優れたものです。色は銀灰色であり、スウェーデン語で重い石という意味があります。
タングステンは産出される地域が非常に限られており、中国、ロシアなどが主な産出国となっています。

過去には中国が輸出税や輸出数量制限をかけるなどして、生産を独占してましたが、資源ナショナリズムの動きの中でWTOへの提訴を通じてこれらの制限は撤廃されました。

とはいえ、日本国内ではほとんど産出ができず輸入に頼っているのが現状で、資源枯渇への対応策として国は国内使用量の60日分の備蓄をすることを定めています。

タングステンの用途

代表的なタングステンの用途をお伝えします。

1．フィラメント
電気抵抗の高さからフィラメントの素材として長く使われてきました。

タングステンは融点が高くて蒸発速度が遅いことからフィラメントに必要な細い線を簡単に作ることができます。

また、金属抵抗が大きいこともフィラメントに適した素材といえます。

最近ではLED電球の普及によりフィラメントとしてのタングステンの需要は減少傾向にあります。

2．超硬合金（炭化タングステン）
炭化タングステンにコバルトやチタンなどを合わせた超硬合金と呼ばれる金属は、ドリルなどの耐摩耗性が必要となる工具においてその高度の高さから活用されます。

これらの工具は自動車部品の製造において活躍します。

3．砲弾などの軍事製品
金属的な安定性、硬さ、耐摩耗性、融点の高さなどから砲弾のような軍事製品の原材料としても使われます。

4．高速度鋼（鉄とタングステンの合金）
高速度鋼は鋼にタングステンやコバルト、クロムなどを合成したもので、ドリルなどに使用されます。

超硬合金と比べて硬さに劣る分、粘り強さに優れています。

今回はタングステンについてお伝えしました。

硬さ、重さ、融点の高さなど多くの特徴をもっているタングステンですが、日常生活で見かける製品に多く関わっていることがわかったのではないでしょうか。

実はお持ちのドリルや掘削器具にもタングステンが含まれているかもしれません。