貴金属でプラチナなどと似たような性質を持つため、自動車触媒や宝飾品などに使用されスクラップ市場でも人気のパラジウム。
今回はそんなパラジウムとはどういうものか、その原産国をご紹介します！

パラジウムとは

プラチナと比較して安価でありながら、似たような性質を持つパラジウム。
新興国の台頭、経済成長の影で着々と需要を伸ばし、プラチナに代わりコスト削減もできるとあって人気の貴金属です。
その人気は今やプラチナをも凌ぎます。
生産国としてはその他の貴金属と同じく一部に集中しているのも特徴の一つです。

原産国はロシアと南アフリカ共和国の2強

さきほどもお話しましたが、パラジウムは他の貴金属と同様に原産国が偏っています。
具体的にはロシアと南アフリカです。
2017年のデータによるとパラジウムは世界中で209.7トン生産されています。
そのうちの84.9トンがロシア、78.5トンが南アフリカという状況です。
これは割合でいうとロシアが40.5％、南アフリカ共和国が37.5％、2国合わせるとおよそ80％ものシェアを誇ります。

自動車鉱山からの供給は？

□自動車鉱山からの供給は？
パラジウムは自動車によく使われる貴金属です。
ですので自動車からの再利用ができます。
2017年では全体のパラジウム供給量のうちから25％がこの自動車鉱山から生み出されています。
この産地は早くから自動車社会になった北米やヨーロッパの国々が中心になっています。

これからさらに次世代自動車の流れが訪れれば既存の自動車が手放され、自動車鉱山からのパラジウム生産量が増加することが予想されます。

宝飾品からのリサイクル

パラジウムは基本的に自動車に使用される貴金属ですが、プラチナ同様に宝飾品にも使用されます。
その再利用もパラジウムの供給量に含まれます。
これは原産国、自動車鉱山からの生産に比べるとかなりその量は減ります。
この分野に関しては日本がトップのシェアを誇ります。
その量は2017年で0.8トン、全体でも1・5トンであるため50％を超えるシェアになります。
2位は欧州、3位は北米となっています。

おわりに

今回は世界的に需要の高まる貴金属パラジウムとはなんなのか、原産国、自動車、宝飾品の再利用についてご紹介しました。
パラジウムは安価でありながらプラチナの代わりになると自動車、宝飾品に人気になりましたが、その価値はプラチナを凌ぐ勢いです。
今後も需要、価値が伸びると予想されるパラジウムですので、ぜひこの機会に覚えておきましょう！