わめて固い金属のことで、その硬度はダイアモンドまでとは言いませんが、鉄やステンレスよりも固いとされています。今回は、そんな超硬合金について、詳しくお話したいと思います。

超硬合金とは

先ほども少しお伝えしたように、超硬合金とは極めて固い金属のことを指します。重さは鉄の二倍ほど、金とほぼ同等です。また、強度や弾性にも優れ、かつ高温時の硬度の低下や摩擦も少ないため、金属加工の工具や金型に用いられることが多くあります。

成分

超硬合金は、文字通り金属からできています。代表的な成分はタングステン・カーバイドとコバルトです。このタングステン・カーバイドの産出国の大半を中国が占めています。またコバルトはフィンランドやカナダ、オーストラリアなどから鉱石として採掘され、加工されます。超硬合金の使用目的に応じて、炭化チタンや炭化タンタルを加え、さらに特性を向上させることが可能です。

超硬合金の種類や用途

一般的な超硬合金

標準的な合金で、硬度や弾性が高いなど優れた性質を持ちます。

耐衝撃用合金

標準的な超硬合金よりもタングステン・カーバイドを粗粒にすることにより、衝撃吸収の役割を担うコバルトを厚くし、耐衝撃性と耐摩耗性を高めた合金のことです。

耐蝕、耐衝撃合金

結合を強化し、中粒～粗粒のタングステン・カーバイドを用いることによって、耐熱性や耐衝撃性を向上させた合金です。特定の使用方法内では、従来の5~10倍の寿命を維持できる場合があります。またワイヤーをカットした際の電蝕や、研磨後の腐蝕についても防止する効果があります。

微粒子合金

微粒のタングステン・カーバイドを使用することで、高硬度、高強度の合金を形成しており、耐摩耗性を要する工具に適しています。

超微粒子合金

超微粒子のタングステン・カーバイドを使用しています。先ほどの微粒子合金と比べ、3~5倍の寿命を保つことが可能です。

超高硬度合金

タングステン・カーバイドよりも固い炭化物を分散させることで、従来の合金よりも高硬度の高い合金を実現したのが、この超高硬度合金です。耐熱、耐蝕性ならびに高温下での強度に優れ、高温での耐摩耗工具に向いています。

このように、一口に超硬合金といっても、たくさんの種類が存在します。その用途も、アルミ缶などの金型加工から自動車エンジン部品加工、トンネル工事まで様々で、幅広く活躍しています。みなさんも、ぜひ超硬合金について調べてみてくださいね。